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家族のこころ

統合失調症の夫、母娘の闘い、子育て論。精神世界について得た学びや知識を共有したいです。

アスペルガーの仕事

アスペルガーのような発達障害は、先天性であり、

最近の研究で分かってきたことは、

胎児の前頭葉が作られる妊娠2,3ヶ月頃の母体の重金属や環境ホルモンによる

汚染が原因ではないか、ということだそうだ。

 

先天性なのだから幼児のときからその特徴は表に出る。

私の夫の場合は、ご両親の話によると、

”ほかの子と仲良く遊ぶことができない”子どもだったそうだ。

 

滑り台を独り占めにする。

おもちゃを貸してあげない。

スーパーで陳列棚の品物を全部放り出してしまう。

鍋のお店で屏風か何かを倒して隣の客のテーブルをめちゃくちゃにしたことも

あったそう。

 

だから一人遊びが多かったし、

お店はいくつも出禁になった。

 

そして10代20代、警察沙汰の事件事故を何度も起こしている。

兄弟の中で、親が警察署に行くようなことをやらかしたのは夫だけだそうだ。

 

両親も誰も、手が付けられない子ども。

これは明らかに普通の子じゃない。

 

今ならすぐに発達障害を疑うところだけれど、

30年ほど前の当時は発達障害だとかいう認識は、誰にもなかった。

 

統合失調症患者の多くが、発達障害の傾向があるそうだ。

 

統合失調症などの精神疾患は、発達障害の2次障害として起きる場合も多い。

 

発達障害があるのに”普通であること”を強要されて育った子どもは自分らしさを

抑え込み、自己否定観を造り上げながら生きていく。

 

その結果としての、精神病発病。

 

発達障害の中でも知的障害のないアスペルガーは、

子どもの段階で誰かが気づいて適切な対応をしていれば、

合う教育をしていれば、ちゃんと社会に出て人の役に立つ人間になれる。

 

記憶力の良さや集中力の高さなど、得意なところを伸ばし、

コミュニケーション能力などの苦手分野を訓練しておけばちゃんと社会に出られる。

社会に出て仕事ができたり、結婚できたりすれば精神病を発病する可能性も低くなる。

 

発達障害を、放置されたがゆえの、精神病。

 

でも誰のことも、責めることはできない。

 

知的障害のないアスペルガーは、きちんと社会に出て仕事をしている人も多い。

 

「指示通り率直に作業をこなす」

「数字や図式など目に見えるものに強い」

 

この特性を持っている人が多いので、指示されたことだけやればいい

仕事や工場などの単純作業、金融や測量なども向いているそうだ。

 

頭がいい人が多く、好きなことには抜群の集中力をみせるため

学者や研究者、教師にもアスペルガーは多いそう。

 

IQの高さを活かして非凡なアイデアを出し、起業家として成功する

場合もある。ビルゲイツやスティーブジョブズアスペルガーと言われている。

 

または芸術的才能が高い場合も多いので、彫刻家画家、建築家など。

 

苦手なのは臨機応変な対応。

コミュニケーション能力が必要な仕事、気を利かせなければならない仕事。

営業、接客、秘書など。

 

36歳で子どもが生まれてから初めて仕事というものと向き合うことになった

夫には、何が向いているのかと考える。

 

夫の場合は、2次障害として統合失調症を発症し、10年間服薬して

仕事もしていなかった。

 

社会性や仕事のやり方を覚える機会を持てないまま

20代を終え、今急に仕事しないといけない状態になり、

夫はパニックになっているようにも見える。

 

彼は10代の頃、コンビニでバイトしたら1日でやめてしまったそうだ。

コンビニ店員は多種多様な業務を同時にこなさなければならない接客業だから

まるで向いていない。

 

漫画家のアシスタントをした時は、1年か2年か忘れたけど

契約終了までできたそうだ。

芸術的なことには興味がある。雑用も、飲み物買ってきて、などの

シンプルで明確な指示ならこなせる。

 

配達の仕事をしていて、車で事故を起こした。

荷物を運ぶ、という単純作業は向いていると思うが

車の運転は同時に複数に注意を払わなければならないため、

向いていないと言える。

 

親のコネで大手商社の内定をもらったが、辞退した。

商社マンはコミュニケーション能力が問われるし、接待などの

営業色が強いから、しんどかっただろう。

やめてよかった。

 

彼は大学生の頃、語学系の学者を目指していたことがある。

勉強がよくできるから、教授から期待されていたそうだ。

でも、その頃統合失調症を発症してしまったので、やめてしまった。

母親も、教授の道があったのにもったいない、と言っていた。

 

病気になってからも、何度も彼は学校へ行こうとした。

学者への思いはなかなか断ち切れなかったようだけれど

精神の不調、対人恐怖のために、学校へ通うということが困難だった。

学問に対する熱意はあるのに、毎日学校に通う、という行動が

どうしてもできなかった。

 

オンラインで自宅で習っていたものは、続いていた。

 

学者になりたいけど学校へ行けない。

職人に対する憧れもあるから染物職人とか豆腐屋やろうか、とか

思い付きで言ったりしていた。

 

結婚後、友人の誘いで貿易のビジネスを始めた。

接待が、ものすごく苦痛だった。

だから買付担当を志願した。

でも、そのビジネスは何の利益も生まないまま、頓挫した。

 

どんな仕事がむいているのか、できるのか、見つけられないまま

子どもができた。

 

焦った夫は、職場に通えない自分ができる仕事として

ネットビジネスを選んだ。

 

病気の症状が重かった時は、パソコンはまさにハッキングの対象だからと

パソコンを開けることすらできなかった人が、カメラレンズにガムテープを

貼っている人が、ハッカーから逃げたい隠れたいと思っている人が、

ネット上に自分を出す仕事を選んだ。

 

それから、夫は別人格になった。

 

ネットのことをやり始めてから、夫はイライラし、キレやすくなり、

おしゃべりになり、対人関係において積極的すぎる、躁状態になった。

 

以前の穏やかな、素直で謙虚な夫は、死んでしまった。

 

赤ちゃんを抱く私の前にいるのは

目を見開いてタブレットをみてはブツブツ独り言を言う

ガリガリに痩せた知らない男だった。

 

語学能力に長けていて本人も好きで、

勉強がよくできる夫は、教師や学者は向いているのだと思う。

 

ただ、ネットで集客やホームページを作るなどといったことは

パソコンが苦手で好きでもないから、苦痛なんだと思う。

 

私が想像できることは

寺子屋のようなイメージで、夫は講堂のような場所にいる。

そこに教えを請う人々が集まって来る。

私は受付をしている。

夫は自分の知識や智慧を人々に伝えるだけ。

集客宣伝受付会計などは、私や他の人がやる。

 

そのようなスタイルなら、彼も私もさほどストレスがないのではないかと

思う。

 

そういったことを、夫に提案してみる。

 

しかし今の夫婦仲では、別居状態の今は、

夫は私のどんな言葉も聞く耳をもたない。

 

私が二人が幸せにやっていく方法を必死に考えて

提案しても、彼からの反応はない。

 

私には夫と一緒に笑顔で夫婦ビジネスをするアイデア

浮かんできているが、夫婦仲の改善が先だ。

 

夫は、高い能力があるのに精神的未熟さが邪魔をして

形にできないでいる。

 

学生の頃から、何度も何度も

「おしいなあ」「もったいないなあ」

と言われてきた。

  

「惜しい人」で人生を終えてほしくない。

 

彼の特性を、なんとか社会に役立つ方面で発揮してもらいたい。

 

どんな人だって、人よりちょっとできることが一つ二つはある。

得意なことを活かして世の中の役に立ち、人に感謝される。

発達障害があろうが精神病になろうが、そんな風に生きていくこともできる。

 

私はあきらめていない。