家族のこころ

統合失調症の夫、母娘の闘い、子育て論。精神世界について得た学びや知識を共有したいです。

家族は金と権力である


家族のゆくえは金しだい

 

この本、家族問題を扱った本を多く読んできた

私の、今のところの一番のヒットだ。

 

こんなにも小気味好く、多くの偽善的な人々がうっすら

分かりながらも口に出せないでいることをスパッと、

しかもきっちり根拠も出して言い切ってくれるなんて、

実に爽快。

 

著者はベテランカウンセラーの信田さよ子さん。

 

この本を半ばまで読んですぐファンになってしまった。

 

ぜひカウンセリングをお願いしたいと思った。

 

今の60、70代の私たちの親世代は、

家族は愛情、絆、無償の愛、などという幻想を

頑なに信じている世代だ。

 

里帰り出産の理想と現実~父の介入~ - 家族のこころの記事でも

書いたが、この里帰り出産以降、母娘のバトルの存在を

父も知るところとなった。

 

その父は、「親の愛は無償の愛」と信じて疑わない。

 

だから私が母のこういうところが昔から嫌だった、と

決死の思いで涙ながらに訴えても、

 

「お母さんはお前のためを思ってやな。悪気はないんやぞ。

子供が可愛くない親なんかおるわけないやろ。」

 

そう言って終わりだ。

 

子供が可愛くない親など存在しないなら、

児童虐待はどう説明するのか?

父もニュースでこういう事件が実際に多く起きていることは

知っているはずだ。

 

親子は無償の愛だけで成り立っているならば

親殺し子殺しは単なるキチガイのやることなのか?

 

本当にそんなものを信じて一家の大黒柱を40年もやってこられた

なんて、なんて幸せな世代なのかと思う。

 

信田さんは私たちの親世代と同世代ながら、

今の時代にそぐわないこの価値観こそが

子を苦しめていると一刀両断してくれている。

 

団塊世代は、経済力がある。

日本の高度経済成長の恩恵をたっぷり受け、

働けば働いただけ収入も右肩上がりでたっぷり

預貯金を増やすことができた。

 

戦前戦中を生きていた彼らの親の経済力を超えるのは

たやすく、当たり前だった。

 

一方で不況の時代を生きている今の私たち団塊世代の子供が
親の経済力を超えるのは至難の技になった。

 

今、家族の問題は

持てる親と持たざる子によって起きていると

信田さんは言う。

 

自分と夫が、ぴったり当てはまり過ぎていて

深く頷かずにはいられなかった。

 

富める親は、子供が小さい時仕事に熱中するあまり

愛情をたっぷりかけてやれなかった後ろめたさを

お金を与えることで補おうと無意識に思っている。

 

子はそれをよくわかっていて、あの手この手で親から

お金をもらおうとする。

 

自活が難しいこの時代、年金額もまだ多く、貯金も

たっぷりある親のすねをかじって生き延びている

30、40代。

 

しかしお金をあげる、もらうと言う関係は

支配関係なので、子は負債感、罪悪感を持ち、

いい歳になっても自活できないような人間にしたのは

お前たち親だ!責任を取れ!と親を責める。

 

親は親で罪悪感を持っているので責められると

お金を渡してしまう。

 

結果、引きこもりやアルコール、薬物、ギャンブル依存症

助長することになり、親は我が子に老後の蓄えを食いつぶされる。

 

このループを解決できるのは、親の方だ。

支配者である親が、決断しなければならない。

 

子を責めたり叱ったりするなどもってのほか。


「良かれと思って。。。あなたのためを思って。。。」とか

親不孝だの無償の愛だのと主張するのも無駄。

 

「お金を渡さない」

 

これを実行するだけ。

 

ところがそれができない親が多いんだそうだ。

 

それって結局子供のためになっていない。

つまり親は自分の罪悪感から、あるいは支配欲から

成人した子にお金を渡し続ける。

 

野生動物で、大人になった子にいつまでも

餌を取ってきて食べさせる親はいない。

 

大人になるかならないかのうちに、突き放す。

心配や寂しさをグッと堪えて。

 

そうしないと、自分が死んだ後子は生きていけないからだ。

 

そんな単純なことが分からなくなっている人間たち。

 

 

親子のみならず、夫婦も結局お金で繋がっている。

 

私たちは、夫が統合失調症というのもあり、

そして親に人並み以上の経済力があったのもあって

夫の父からの生前贈与のお金でこの5年間生活してきた。

 

夫が私と結婚したのは30歳の時だが、20代の間も

夫は一度も自分で稼いだお金で生活したことはない。

 

父から役員手当という名の報酬を何もせずして毎月

受け取り、さらに引き落としが父の口座である金色の家族カード

を好き放題に使って生きていた。

 

毎月カードの限度額を超えるほど使い、

切れなくなると親に電話して

「カード切れないんだけど?限度額あげといてくれる?」

と言って終わり。

 

父親は言われるままにカードの限度額を引き上げるのだった。

そうして義父は毎月多額の支払いを長年続けてきた。

 

結婚後、私はそのシステムに驚愕し、私自身も何かと先回りして

お金を渡して支配しようとする母親から31にしてようやく自立した

ので、結婚当初2年くらいは親からお金をもらって結婚生活を送る

ことに大きな抵抗があり、それで夫とよく喧嘩していた。

 

ようやく自分で生活することができるようになったところだったのに

結婚によってまた親の、お金と引き換えの支配下に戻ってしまった

ようで、ものすごく嫌だった。

 

実際毎月義父からカードの利用明細のことで電話がかかってきて

使いすぎだ、と言われるのが苦痛だった。

 

義理の親にどこで何にお金を使ったのか、全て知られるのも

嫌だった。

 

でも夫は働いていなかったし、経営者の父の元で裕福に育った夫の

金遣いを見れば、とても私が働いたところで夫を養えるわけも

なかった。

 

それに夫は場所にこだわりが強く、私たちはほぼ住所不定で

世界を転々としながら暮らしていたので、何か仕事を始める

というのも難しい環境にあった。

 

私にはやりたい仕事もあったけれど、お金もあるし

今は夫の精神を回復させることが最優先だから、と考えて

働かない優雅な暮らしに慣れていった。

 

精神状態がよくなれば、夫も働くようになる。

それだけを期待して、精神療法をあれこれ試してやってきた。

 

そして、妊娠する直前くらいに、義父は毎月の仕送りを切った。


カードの利用額があまりにも多く、何度言っても減らないというのが

理由だった。その支払いだけで精一杯だからもう別途振り込むのは

やめると。

 

義父はもう経営を長男に任せ、引退していた。


だから義父自身、使えるお金も減ったし、お店の経営も

以前ほど好調ではなく、祖母の遺産相続でもめたのもあって

自分の老後のお金が心配になってきたとの事だった。

 

そして私の妊娠が発覚した年には、家族カードも切られてしまった。

義父から私にカード切ってもいいかと相談があったけれど

私は賛成した。

 

そうしないと、夫の依存は終わらないと思っていたからだ。

 

その頃夫は友人と会社を立ち上げ、ビジネスをしようとしていた。

だからそのうち収入が入るようになるだろうと思っていた。

 

まだ一円も収入はなかったけれど、贈与で頂いたお金の貯金が

まだたっぷりあったから、焦りはなかった。

 

子供もできる事だし、あと2年くらいは今の貯金で大丈夫だから

その間に夫も真剣になって稼いでくれるだろう、とのんきに

考え、私は出産と育児のことだけ考えていた。

 

そして出産を迎え、初めての育児に翻弄する私の横で、
夫はネットで自分の服を爆買いし始めた。

 

毎日スーパーやコンビニに行っては食べ切れないほどの量の

食べ物を買い込んできた。

 

夫は、妻が育児で忙しくなり、急に置いてけぼりになった

虚しさや寂しさ、さらに親からの援助打ち切り、35にして初めて

自分で稼がねばならないという現実に直面し、浪費とどか食いに

逃げるようになっていた。

  

友人と立ち上げたビジネスは全く進んでおらず、

夫なりに何か他の仕事をしなければと考えたのだろう、

ネットビジネスの高額塾に立て続けに申し込み、

投資額は総額200万を超えた。

 

私は、夫がビジネスのセミナーに行くだけで嬉しかったので

まだ貯金もあるし、その投資はきっと回収してくれるんだろうと

期待していた。

  

しかしそのどれも、未だ収入に結びついていない。

というより最初に申し込んだ一つを除き、他のものは

申し込んだだけで何も実践していないのだから

結果が出るわけもない。

 

そんなわけの分からないことを目を見開いてやっている

夫と見知らぬ土地で育児するのに限界を感じた私が実家に

帰って以降、夫の浪費は加速した。

 

ブランドの洋服を私のカードまで使って爆買いし

去年12月にはとうとうギャンブルに手をつけてしまった。

 

そこからはもうあっという間だった。

 

たったの2ヶ月で500万、ギャンブルで飛んでいった。

 

それでも夫は一向に反省のそぶりを見せず、

双方の親にお金を振り込ませて、ギャンブルを続けた。

 

親がもう出すお金はない、と言えば

腎臓売れよ、と言った。

 

小学生の頃から母の手料理の代わりに

引き出しに詰まった100円玉を好きなだけ取って

自分で夕飯を買いに行っていた夫にとって、

お金=親の愛、だった。

 

だから夫は、親がお金を出さないと言えば

暴れた。

 

私はへそくりとして自分の口座に置いていたお金も

全て夫のカードの支払いのために振り込んでしまった。

 

今思えば、それは死守しておけばよかったと思うが。

 

私の親にも夫は金を出せと言い、

母は50万振り込んだ。

私の積立保険の満期金100万円も、夫に取られてしまった。

 

家族みんなが、お金を出さないと許されないと感じるほど

夫は荒れていた。

 

ろくに食べず寝ず、ガリガリに痩せた体で
テーブルをひっくり返し、腎臓売れよ、と怒鳴る
夫に、怯えていた。

 

夫は、お金という愛情を強く欲していた。

 

金銭的援助を突然切った親を恨み、

自分で稼いでほしいと言った妻を責めた。

 

客観的に見れば、30代半ばの妻子持ちの男性に

自分でお金を稼いで欲しいと思うのは当然の

要求だと思われるが、

お金=愛と植えつけられた夫には、その家族の要求が

「もうお前を見捨てる。愛していない。」という言葉に

聞こえたのかもしれない。

 

夫は、生前贈与の残りのお金一千万のうちの

ほとんどを、またギャンブルで使ってしまった。

 

こうなっては夫との生活はもう立ち行かないので

私は夫の元に戻るのを諦め、離婚する覚悟を決めた。

 

此の期に及んでもまだ夫は自分のしたことに反省はなく、

自分で稼げと急にプレッシャーをかけたお前らが悪い、という

態度であり、離婚してもビジネスパートナーとしてやりませんか?

と謎の提案をしてきて

 

どうやら親に依存できなくなったら

今度は妻に経済的に依存するつもりらしい。

 

そういうのが見えるので、私は自分と子の生活を守るために

どうしても夫と離れなくてはいけなくなった。

 

本当に、家族とはお金なのだ。

だから「金の切れ目が縁の切れ目」というのは真実なのだ。

 

信田さんは提言している。

 

「特に女性は、結婚はお金である、という冷徹さを忘れてはいけない」と。

 

 

 


家族のゆくえは金しだい